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JISに規定される耐風圧等級や水密等級は、圧力箱に建具を固定して外部より圧力を加えて部材の反りや漏水を確認する試験ですが、ガラリは圧力が内部に抜けるため試験が行えず、気密性能もありませんので、いわゆる JISの3大性能がありません(JIS認定外建具)。
そのため、弊社ガラリは社内基準として防水性能試験と換気性能試験を行っております。この2つの性能は相反する性能であり、防水性能を重視するケースと換気性能を重視するケースがありますので、目的に合わせてご検討ください。
- 常時風の強い離島や沿岸地域又は高層建造物の場合。
- 激しい台風が頻繁に通過する地域の場合(沖縄・九州南部・四国南部等)。
- 僅かな漏水でも電気・機械トラブルが予測される場合(機械室・電気室等)。
- 僅かな漏水でも天井が痛んだり床が濡れて滑りやすい場合(天井裏・体育館等)。
- 豪雪地域において雪の侵入を減らすため、抵抗の大きいガラリを使用する場合(北海道等)。
- ダクト接続で傾斜勾配を付けて、わずかな漏水を外部へ排水できる機構をもつ場合。
- 柱や梁の問題でガラリ面積が計画面積ほど取れない場合。
- 取替工事等でガラリ面積の不足を開口率を大きくして補いたい場合。
- 近隣への騒音の問題があり、ガラリの発生騒音を抑えたい場合。
弊社の防水ガラリ製品は、 数多くの施工実績を誇る複層高防水ガラリの「SuperLeaf」シリーズと換気性能と防水性能を兼ね備えた高性能防水ガラリの「MORANT」シリーズがあります。
両者は性能以外にも用途や納まりによっても違いがありますので、下表のPDFより弊社カタログをご確認ください。
防火ダンパーの性能について(外壁用FD)
・防火ダンパー(FD)とは自閉装置の付いた特定防火設備です。
法規上 防火ダンパーとは防火区画で使用するダンパーとして扱われていますので、避難口とならない外壁開口部は20分耐火の防火設備で良いと思われますが、分類上は特定防火設備ですので弊社では1時間耐火として扱っております。
・特定防火設備とは、通常の火災による火熱に対して、1時間はその加熱面以外の面に火を出さない性能の防火設備で、厚さ1.5mm以上の鉄製又は鉄骨枠の両面に厚さ0.5mm以上の鉄板の防火戸を指します。(国土交通大臣が定めた構造を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの)
・建築工事で使用する「外壁用FD(窓用FD)」とは延焼の恐れがある外壁開口に設置するガラリが非防火のため、ガラリの内側に遮炎性能を有する防火設備として設置されています。 但し、外壁開口部でも設備ダクトの接続がある場合は設備工事の「防火区画用FD」を使用して下さい。(慣例的に建築工事で行なう事が多かったのですが、防煙・点検機能を有して用途ごとの法規対応ができる設備工事で対応した方が問題ないかと思います)
・設備工事で使用する「防火区画用FD」とは主に建物内の防火区画貫通部に使用するFDで、ダクト接続形状で漏煙量・圧力区分・溶解温度・検査口・軸径などの法規や日本防排煙工業会の規定が存在します。 その他、低圧用・高圧1用・高圧2用・厨房用・排煙用・冷暖房換気用や煙感知連動式・ガス圧式・モーター式など細かく分類されております。(外壁用FDは防火区画には使用できません)
意匠登録出願中
◇遮炎装置付き高性能防火ダンパー
ZAM®の優れた耐食性について
・ZAM®の耐食性は、溶融亜鉛めっき鋼板に比べ10~20倍、溶融亜鉛-5%アルミニウムめっき鋼板に比べ5~8倍優れています。
・ZAM®は後めっき(溶融亜鉛めっき HDZ55:JIS H 8641)の1/6程度の付着量で同等以上の耐赤錆性を有します。
・ZAM®の平坦部は、めっき層に含有されるAlとMgの効果により、時間の経過とともに緻密で付着性の高いMgを含む亜鉛系保護皮膜がめっき表面に形成されます。 この保護皮膜がめっき層の耐食進行を抑制します。
・ZAM®の切断端面部は、めっき層から溶け出したMgを含む緻密な亜鉛系保護皮膜が端面部を覆うことにより、優れた耐食性を発揮します。
黒ZAM®について
①優れた黒色意匠性
②高加工部の黒色外観維持
めっき層を黒色化していますので、かじり起因による白化を抑制します。
電着塗装などの省略が可能です。
③優れた耐食性
従来のZAM®と同等の耐赤錆性を有します。
④優れた吸放熱特性
黒色外観を有していますので、未処理のものと比べて良好な吸放熱特性を示します。
⑤優れた環境特性
クロム、有機溶剤を全く含まない製品ですので、環境に優しい材料です。
防水性能試験とは台風を模して風洞機より試験風速(5m/s~30m/s)を発生させ、散水装置より毎分3000cc(時間雨量180mml相当)をガラリ試験体に5分間噴射し、各風速ごとに内部の観測箱内に漏水した量を計測しました。
下表は5分間の漏水量を毎分当りに換算して表記しています。
試験体(w530xh500) | 散水量 cc/min |
毎分当りの漏水量:cc/min | 風速30m/sの 防水効率 |
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
製品名 | 開口率 | 枠見込 | 5m/s | 10m/s | 15m/s | 20m/s | 25m/s | 30m/s | ||
PSA-70(三層型) | 33% | 70mm | 3,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100% |
PSA-70A(二層型) | 33% | 70mm | 3,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100% |
PSA-120(三層型) | 50% | 120mm | 3,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100% |
PSA-120A(二層型) | 50% | 120mm | 3,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100% |
AM-S40(竪型) | 40% | 70mm | 3,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100% |
AM-W40(二層型) | 40% | 70mm | 3,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100% |
M-W40R(二層型)【NEW】 | 40% | 70mm | 3,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.2 | 0.2 | 99.99% |
AM-S50Ⅱ(竪型) | 50% | 70mm | 3,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.4 | 99.98% |
AM-S50(竪型) | 50% | 100mm | 3,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100% |
AM-W55(二層型) | 55% | 100mm | 3,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.4 | 99.98% |
AM-S60(竪型) | 60% | 100mm | 3,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.4 | 1.5 | 99.95% |
AM-S70(竪型) | 70% | 100mm | 3,000 | 0 | 0 | 0.1 | 0.1 | 1.1 | 1.7 | 99.94% |
※上表の防水t効率が100%のガラリは、一滴も漏水しないというわけではありません。防水試験では計量出来ないほどのごく少量のしぶき程度は発生する場合もありました。また、実際の台風が試験最大風速の30m/sを超えるケースもありますので試験最大風速での防水効率とお考えください。尚、開口率が大きいガラリは防水効率が低くなっておりますが、通常ガラリ(片流れ形状の横型ガラリ)では大量の雨水が横羽根を勾配に沿って広範囲に飛び散るのに対して、防水ガラリは縦羽根でキャッチした雨水は縦羽根を伝って下枠より排水しますので、漏水量を極端に少なくし広範囲には飛び散りません。
換気性能試験とはガラリの圧力損失を導き出すための抵抗係数を求めるための試験であり、圧力箱にガラリを設置して圧力箱側から空気を送り出し、そのときの通気量と圧力箱内外の圧力差を測定することにより行ないました。尚、試験時のガラリ面風速(ガラリ面の風速)に対する抵抗係数ζ0を設備計算で使用する頻度の多い有効開口面風速(羽根間の有効開口面の風速)に対する抵抗係数ζ1に換算して表記しています。
試験体(w530xh500) | 抵抗係数:ζ0 | 抵抗係数:ζ1 | 流量係数:α | |||||
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製品名 | 開口率 | 枠見込 | 排気 | 給気 | 排気 | 給気 | 排気 | 給気 |
PSA-70(三層型) | 33% | 70mm | 145.2 | 126.2 | 15.81 | 13.74 | 0.083 | 0.089 |
PSA-70A(二層型) | 33% | 70mm | 123.5 | 108.5 | 13.45 | 11.82 | 0.090 | 0.096 |
PSA-120(三層型) | 50% | 120mm | 76.9 | 74.3 | 19.23 | 18.58 | 0.114 | 0.116 |
PSA-120A(二層型) | 50% | 120mm | 54.9 | 55.7 | 13.73 | 13.93 | 0.135 | 0.134 |
AM-S40(竪型) | 40% | 70mm | 51.0 | 44.4 | 8.16 | 7.10 | 0.140 | 0.150 |
AM-W40(二層型) | 40% | 70mm | 96.1 | 106.3 | 15.38 | 17.01 | 0.102 | 0.097 |
AM-W40R(二層型)【NEW】 | 40% | 70mm | 65.0 | 58.3 | 10.40 | 9.33 | 0.120 | 0.130 |
AM-S50Ⅱ(竪型) | 50% | 70mm | 42.2 | 44.4 | 10.55 | 11.10 | 0.154 | 0.150 |
AM-S50(竪型) | 50% | 100mm | 58.3 | 54.1 | 14.58 | 13.53 | 0.131 | 0.136 |
AM-W55(二層型) | 55% | 100mm | 48.2 | 52.5 | 14.58 | 15.88 | 0.144 | 0.138 |
AM-S60(竪型) | 60% | 100mm | 13.4 | 13.6 | 4.82 | 4.90 | 0.273 | 0.271 |
AM-S70(竪型) | 70% | 100mm | 6.1 | 7.8 | 2.99 | 3.82 | 0.405 | 0.359 |
※上表の抵抗係数はガラリを通過するときの空気抵抗の大きさを示します。一般的に防水ガラリは雨水の浸入を防ぐために通常ガラリと比べ空気抵抗が大きくなっておりますので、設備計算を通常ガラリで行なった場合は必要風量が不足する場合があります。特に防水性能重視のガラリを使用する場合は圧力損失を検討してください。
- 風量計算式 Q=f・A・V・3600
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- Q:風量(m3/h)
- f:有効開口率(%)
- A:有効面積(m2)
- 圧力損失計算式 ⊿P=ζ1・γ・V2/2g
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- V:通過風速(m/s)
- ⊿P:圧力損失値(mmAq)
- 流量係数換算式 α=1/√ζ0
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- ζ0:抵抗係数(ガラリ面風速基準)
- ζ1:抵抗係数(有効開口面風速基準)
- 抵抗係数換算式 ζ1=ζ0・f2
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- α:流量係数
- γ:空気密度(1.2kg/m3)
- g:重力加速度(9.8m/s2)